https://www.axera.co.jp/edo100/index.... 安藤広重が江戸時代に描いた浮世絵シリーズ、 名所江戸百景、その舞台となった場所は、 今、実際どうなっているのか、訪ねてみました。 可能であれば、毎週日曜日に 更新したいと考えております。 体力が持てば、ですが。 Ukiyo-e series drawn by Hiroshige Ando in the Edo period, One Hundred Famous Views of Edo, the place where it was set I asked him what was actually happening now. Click here for English version. https://www.axera.co.jp/edo100views/i... 私の大好きな、安藤広重の描いた名所江戸百景、その場面が今どうなっているのか、実際に訪ねてみました。 004は、永代橋佃しま。現在の永代橋の近所に浮かべた船から、南にある佃島方面をみたような画づくりになっています。 この永代橋は、元禄12年(1698年)、五代将軍綱吉50歳の誕生祝いに、箱崎町から深川佐賀町の間にかけられた橋です。その3年後、あの赤穂浪士が今の両国の近所にあった、吉良邸に討ち入りのあと、報告のためにこの橋を渡って、主君の浅野内匠頭の眠る泉岳寺に向かったと伝えられています。文化4年(1807年)には、深川八幡のお祭りに行こうとした見物人が、この橋を一度に渡ろうとしたことで橋が崩れ落ち、1500人以上の犠牲者が出たという記録があります。この絵の描かれたのは安政4年(1857年)ですから、モデルの橋は、何代目かの橋となります。 画の上段には左側に永代橋の橋脚、真ん中に白い十三夜の月、その下に星が散りばめられています。 中段には、左の橋脚が金物らしきもので、強化してあるのがわかります。その影に隠れて、白魚漁の船が篝火をたいています。漁具として、四つ手網が描かれていますが、実際にこのあたりで、白魚漁を許されていたのは、白魚役人と呼ばれる人たちで、そのやり方は、建網が主だったらしく、実際には違うということが指摘されています。 いずれにしても白魚漁は、11月から3月ぐらいまでの漁期で、この頃の江戸では、夜の篝火がゆらゆら揺れる様が、春を告げる風物詩となっていたようです。 当時の歌舞伎大人気演目、「三人吉三廓初買(さんにんきちさくるわのはつがい)」では、この橋のたもとの大川端で、夜鷹を川に突き落とし百両を奪った盗賊、お嬢吉三が吐く「月も朧(おぼろ)に 白魚の篝(かがり)も霞(かす)む 春の空」という、当時誰でもが知っている、厄払いの有名な台詞があります。 画の奥には佃島が描かれ、その左におそらく佃島の漁師であろう船が、たくさん描かれています。その右側には、弁才船と呼ばれる大型船がたくさん停泊しています。実際には、橋の右岸側には、大川端と松平越前守のお屋敷しかありませんから、その先の江戸湊に停泊していた弁才船を、構図上ここに持ってきて、画としてバランスを取ったようです。 下段は、隅田川の川面に永代橋の月影を描いて、夜を強調しています。刷り師の意図や時期によって、このコントラストや篝火の水に映る様が、随分と違うバージョンが存在します。 次に古地図を見てみました。当時の街の様子です。西が上になっています。当時の佃島は、中洲とは言え、ほぼ海の中だということがわかります。 これに視線である赤いグラデーションを加えてみます。 さらにこの上から、だいたいの縮尺を合わせて、現在の地図を重ねてみました。 今度は古地図に航空写真を重ねてみました。これでだいたいの位置関係がご理解いただけると思います。旧佃島以外の左下の陸地は、当時すべて海でした。 現在の画の視点であろう場所に行ってみました。橋の下ということで、撮ってみましたが、これでは方向が違います。 次に強引に橋脚を入れて撮ってみましたが、これも違います。 そこで過去に永代橋を撮った写真がありました。ちょうど視点であろう部分に赤い丸をつけてみました。赤い丸からちょうどこちら側の撮影地点を見上げたのが、広重の描いた画になります。後々他の回で出てきますが、写真の遠景には角のような山が見えています。筑波山です。当時江戸からはよく見えていた山のようで、様々な画の中に登場しています。 永代橋にもっと寄った写真が次の写真です。 今では夜になると、白魚漁ではなく、屋形船が行き来します。現在は永代橋の改修が終わり、このライティングとは違う演出の仕方になっています。 次にAppleMapのストリートビューで、視点の上空からみてみました。中央が元石川島播磨重工の造船所跡を再開発してできたリバーシティです。この高層ビル群の右側後ろが、旧佃村です。右の橋が、中央大橋、その後ろが佃大橋です。 Googleのストリートビューでも見てみてみましたが、広角すぎて、全体像がぼやけてしまいます。 そこで少し退いた地点から橋ごと撮った写真です。この右2/5が、一番近い景色だと思われます。それに広重の画を重ねてみました。一緒に今の画を昼から夜っぽく加工し、浮世絵の素材を配置してみました。